急激な環境(温度、栄養条件、毒性物質の存在など)の変化から自分自身を防御するために必須の蛋白質(ストレス蛋白質)が存在する.本研究では、このストレス蛋白質を利用し、環境に有害な物質の検出及び除去を目的とする.本年度の研究内容を以下に報告する. ○既に報告されているMycobacterium tuberculosisのalpha-crystalin family HSPの、DNA配列よりプローブを作製しBCG菌からこの遺伝子をクローニングした. ○この遺伝子のDNAシークエンスを行った結果、Mycobacterium tuberculosisのalpha-crystalin family HSP遺伝子の塩基配列と完全に一致した. ○大腸菌を用いGST-alpha-crystalin family HSPの融合蛋白質を作製し、Thorombin Cleavage後SDS-PAGE泳動し、目的のバンド(蛋白質)を回収し、ゲル状態のままマウスに免疫し、抗血清を得た. ○免疫した蛋白質のN末端のアミノ酸シークエンスを行いその信用性を確かめた. ○菌体の各画分をSDS-PAGE泳動後、Western-blottingを行い、酵素抗体反応により菌体内での局在を調べた. これから、上記の蛋白質がどのようなストレスで誘導されるか調べ、誘導物質の検出及び除去の可能性について検討していく.
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