1.種々の歪みを持つポルフィリン(ヘキサフェニルポルフィリン、2種のオクタフェニルポルフィリン及びデカフェニルポルフィリン)を混合縮合法により合成した。また選択的にヘキサフェニルポルフィリンまたはデカフェニルポルフィリンを高収率で合成する方法も確立した。この研究結果に関しては、現在論文投稿準備中である。 2.1で合成したポルフィリンの分光学的性質の溶媒効果をUV-visibleスペクトルにより調べた。この結果、フェニル基の増加とともにポルフィリン環の歪みが増大していくことが推測された。 3.これらのポルフィリンの亜鉛錯体への、ピリジン結合反応を検討した結果、ポルフィリン環の歪みの増大とともにピリジンが結合しやすくなっていくことが判った。この結果を錯体化学討論会(福岡)および薬学会年会(仙台)で発表することができた。 4.筆者はドデカフェニルポルフィリンの異常に速い金属導入反応を見い出している。この反応をこれらのポルフィリンについて調べた結果、ポルフィリン環の歪みの増大とともに著しく反応速度が増大することがわかった。この結果は薬学会年会(金沢)で発表する予定である。 5.これらのポルフィリンの亜鉛錯体の酸化還元電位を調べた結果、ポルフィリン環の歪みの増大とともに酸化電位のみ正にシフトすることがわかった。この結果も薬学会年会(金沢)で発表する予定である。
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