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1995 年度 実績報告書

染色体分配に関与するMukBタンパクのモーター蛋白としての機能の研究

研究課題

研究課題/領域番号 07780576
研究機関熊本大学

研究代表者

仁木 宏典  熊本大学, 医学部, 講師 (70208122)

キーワードMukBタンパク / ATP加水分解反応 / Mg2+
研究概要

本年度の研究目的であるMukB蛋白のATP加水分解活性を明らかにすることができた。
放射性標識化ATPを用いこの加水分解産物であるADPを薄層クロマトグラフィーによって分離、検出しさらに検出したADPを定量することによって精製MukBタンパクのATP加水分解反応を明らかにすることができた。
まず、このATP加水分解反応はMg2+依存性であることを明らかになった。すなわち、MukBタンパクのATP加水分解活性は1mMのMg2+存在下でみられるが、Mg2+のキレート剤である1mMEDTAをこの反応液へ添加することによりMukBタンパクのATP加水分解反応は阻害された。さらに、この中にMg2+を加えてキレート剤の影響を打ち消すと再びATP加水分解反応が観察され、このEDTAの阻害効果は見られられなくなった。
MukBタンパクの精製はこのタンパクを過剰生産する菌株から行い、その検出の指標には電気泳動によるタンパクの分子量を用いてきた。MukBタンパクの精製過程の一つであるゲルろ過クロマトグラフィーで分離精製した分画でATP加水分解反応見てみたところ、MukBタンパクの溶出ピークと一致してATP加水分解反応のピークが観察された。このことからもMukBタンパクがATP加水分解活性を持つことが示唆された。酵素学的に測定したところMukBタンパクの最大反応速度(Vmax)とミカエリ定数(Km)はそれぞれ、8.4nmol/min/mg、0.13mMでありATP加水分解酵素としての活性は弱いものであった。この活性を増強させる因子の存在を探索するため野生株から細胞質画分と細胞膜画分を抽出しこれをさらにゲルろ過クロマトグラフィーで細かく再度分画した。これらの各分画を精製MukBタンパクに加え、MukBタンパクのATP加水分解活性を増強させる分画があるか調べた。しかしながら、細胞質画分と細胞膜画分ともにMukBタンパクのATP加水分解活性を増強させる分画を検出することができなかた。MukBタンパクはオペロンを形成しているMukE,Fタンパクと相互作用している可能性があらたに示唆されている。MukBタンパクのATP加水分解活性に対するこれらタンパクの影響を引き続き検討中である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Yamanaka,K.: "Characterization of the smtA gene encoding an S-adenosylmethionine-dependent methyltransferase of Escherichia coli" FEMS Microbiol.Lett.133. 59-63 (1995)

  • [文献書誌] Tomoyasu,T.: "Escherichia coli FtsH is a membrane-bound,ATP-dependent protease which derades the heat-shock transcription factor σ32." EMBO J.14. 2551-2560 (1995)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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