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1995 年度 実績報告書

分裂酵母の新規のCRE結合転写因子Pcr1およびGad7の解析

研究課題

研究課題/領域番号 07780594
研究機関東京大学

研究代表者

渡辺 嘉典  東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (20212326)

キーワード有性生殖 / 分裂酵母 / CRE結合タンパク質 / bZIP構造 / 転写因子 / 栄養シグナル伝達
研究概要

われわれは、分裂酵母ではじめてbZIP構造をもつCRE配列結合転写因子をコードする2種類の遺伝子pcr1とgad7を単離した。大腸菌で作らせたGST-Pcr1, GST-Gad7両タンパク質は、in vitroでいずれもCRE配列に特異的に結合した。pcr1、gad7それぞれの遺伝子を染色体上で破壊して、遺伝子欠損による細胞の表現形を詳細に調べた。その結果、いずれの遺伝子破壊株も、以下に記すような共通の表現形を示した。1)有性生殖過程への移行が顕著に阻害されている。2)窒素源枯渇培地中でのG1期停止に欠損が見られる。3) stell遺伝子の転写の低下が、有性生殖阻害の主な原因と考えられた。4)栄養が豊富な培地での増殖が低温感受性を示す。これらの表現形より、pcr1, gad7両遺伝子の機能は、栄養状態を認識するシグナル伝達機構に深く係わっていることを強く示唆する。また、このようにpcr1, gad7両遺伝子の破壊株が酷似した表現形を示したことは、両遺伝子産物が細胞内で協調して機能していることを示唆している。高等生物では、一般にbZIP構造をもつ転写因子はヘテロダイマーを形成して機能することが多いので、分裂酵母でもこれらPcr1、Gad7両タンパク質が複合体として働いている可能性が考えられた。分裂酵母の細胞抽出液を用いて免疫沈降実験を行った結果、Pcr1とGad7はいずれも相手方の抗体で共沈されることが分かり、実際に両タンパク質は細胞内でヘテロダイマーを形成して機能していることが証明できた。また、細胞抽出液中のCRE結合因子をゲルシフト法により解析した結果、Pcr1-Gad7複合体は分裂酵母細胞における最もメジャーなCRE結合因子であることが判明した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Yoshinori Watanabe: "Schizosaccharomyces pombe pcr1+encodes and ATF/CRE-binding protein involved in regulation of gene expression for sexual development" Mol. Cell. Biol.16. 704-711 (1996)

  • [文献書誌] Masayuki Yamamoto: "The Molecular and Cellular Biology of the Yeast Saccharomyces" Cold Spring Harbor Laboratory J. R. Broach at al, eds.(印刷中), (1996)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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