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1995 年度 実績報告書

培養神経細胞における微小管動態とその調節機構

研究課題

研究課題/領域番号 07780693
研究機関群馬大学

研究代表者

関本 澄人  群馬大学, 医学部, 助手 (70226661)

キーワード微小管 / 神経細胞 / 細胞培養 / 細胞骨格 / 神経再生 / 神経突起 / 神経回路網形成 / 安定化
研究概要

交付申請書にも記載したように申請者は本年度以前に既に純度の高い後根神経節初代培養系の確立に成功しており、本研究ではこの培養系を末梢神経での突起再生モデルとして用いることにより、神経突起形成中の各過程における微小管の重合・脱重合制御機構、特にその安定化機構の解明につとめてきた。以下に本年度新たに得られた成果を生化学的及び形態学的知見に分けて示す。
1.(生化学的知見):上述のラット後根神経節初代培養系では通常のチューブリン(SolT)以外に従来余り知られていない低温及びCa^<2+>処理に対して不溶性のチューブリン(InsT)が存在していた。神経突起形成過程はこのInsTの全チューブリン中で占める割合が5%から60%へ急上昇する段階(stage 1)と約60%で定常状態を維持する段階(stage 2)によって区別され、それぞれ神経突起伸長期、神経回路網形成期に対応していた。以上よりラット後根神経節細胞の細胞骨格においてInsTは主要な成分であり、神経突起形成への何らかの関与が予想される。
2.(形態学的知見):上述の培養細胞をフローセル内で培養し、ビデオ増強微分干渉顕微鏡下で細胞膜を界面活性剤で除去することにより、神経突起内微小管の経時的な観察が可能となる様工夫した。この系によりstage 2での神経突起では全微小管の約50%が過剰量の緩衝液による洗浄、低温及びCa^<2+>処理に対して安定に重合し続けたが、stage 1のごく初期にはこうした安定重合型微小管は観察できず、その後の神経突起伸長期中に細胞体側からの微小管安定化が認められた。この様な神経突起の成熟に伴う安定重合型微小管の増加は1.で認められたInsTの増加とほぼ並行していることより、安定重合型微小管がInstの実体であると特定された。以上より神経突起には安定重合型微小管が存在し、神経突起形成において重要な役割を果たしていることが予想される。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] S. SEKIMOTO: "Two stages in neurite formation distinguished differences in tubulin metabolism" Journal of Neurochemistry. 64. 354-363 (1995)

  • [文献書誌] 関本澄人: "神経突起形成過程における微小管安定性の変化" 神経組織の成長・再生・移植. 7. 49-50 (1995)

  • [文献書誌] S. SEKIMOTO: "Neurite outgrowth and maturation stages differ in tubulin metabolism" Journal of Neurochemistry. 65, Suppl.85 (1995)

  • [文献書誌] 関本澄人: "培養細胞神経突起における低温/Ca^<2+>耐性微小管" 生化学. 67. 630 (1995)

  • [文献書誌] 関本澄人: "生化学的、形態的にみた安定型微小管の特性:神経突起を材料として" 生物物理. 35. 122 (1995)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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