(1)PC12細胞で観察される2種類の開口放出とエンドサイトーシス シナプス前膜のモデルである、PC12細胞に対して膜容量測定法とカルシウム濃度測定法を用いて開口放出とエンドサイトーシスのカルシウム濃度依存性を調べた。その結果細胞内カルシウム濃度上昇時にPC12細胞は2種類の時間経過の異なる開口放出とエンドサイトーシスを起こすことが判った。時間経過の速い開口放出は細胞内カルシウム濃度が10μM以上になると生じるのに対して、時間経過の遅い開口放出は細胞内カルシウム濃度が5-10μMの時でも観察された。更には時間経過の速い開口放出はその後に時間経過の速いステップサイズの小さなエンドサイトーシスを伴うのに対して、時間経過の遅い開口放出は時間経過の遅いステップサイズの大きなエンドサイトーシスを伴うもので有った。(J. Physiol. 1996 in press) (2)ラット小脳プルキンエ細胞の樹状突起上のカルシウムチャネル ホールセルパッチクランプ法と冷却CCDカメラによる細胞内カルシウムイメージング法をラット小脳スライスに適用しプルキンエ細胞の樹状突起上のカルシウムチャネルの性質を検討した。その結果プルキンエ細胞の細胞体付近にはアガトキシン感受性のP型カルシウムチャネルが多く存在するが、樹状突起部にはP型カルシウムチャネルはほとんど存在せず、むしろニッケルイオンに感受性を有するT型やR型カルシウムチャネルが多く存在することが判った。(生物物理学会1995、薬理学会1996)
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