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1995 年度 実績報告書

条里耕地・荘園材落遺跡の復原的研究-消滅の危機にある通称地名の網羅的収集と分析

研究課題

研究課題/領域番号 07801048
研究種目

一般研究(C)

研究機関九州大学

研究代表者

服部 英雄  九州大学, 大学院・比較社会文化研究科, 助教授 (60107521)

キーワード地名(通称地名) / 条里制 / ゆうじゃく(正じゃく) / 名(みょう)地名
研究概要

今年度は佐賀平野の歴史地名(通称地名)を聞取調査によって収集する作業を行なった.2名が1班を構成し,1班が2つの村をまわり,古老よりの間取を行なう.夏には旧三根郡と神崎郡南部,杵嶋郡,冬には佐賀郡と小城郡(主として多久盆地)の調査を実施したが,夏冬ともそれぞれ400人が調査に参加したので,7年度においては800人がおよそ800の村々を調査したことになる.地名のほか水利慣行についても調査した.
佐賀平野では地名の最小単位である小字が明治20年代に改変された.伝統的な耕地に付された古い地名は通称地名となっているのであり,聞取調査以外に収集の方法はない.しかし調査の結果,概して一村あたり10〜30の小地名に収集できたので,全体では1万以上,2万に近い地名が収集でき,地図にもおとすことができた.この膨大な地名の整理と調査精度の確認は平成8年度の課題である.
これらの収集し得た地名が貴重な歴史資料となることはいうまでもないことである.条里に関する地名はきわめて多数収集することができたが,多くが学界に知られてはいないものである.佐賀郡などでは高城寺文書のような中世文書に託された条里坪付と対比することによって古代条里制の施行のあり方を具体的に,かつ詳細に示すことも可能となった.また中世特有の地名である領主直営田を示す「ゆうじゃく」や「正じゃく」地名も佐賀郡で収集できた.中世の名(みょう)地名と考えられる為重,歌丸,鬼丸,福万名といった地名も検出された.これらが公刊された地図として提供されるならば,今後の歴史学研究に資するところは大であろう.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 服部英雄: "歴史学と景観保存" 歴史学研究. 677. 139-143 (1995)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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