1.基本文法項目の選択 基本文法項目選択には手話文法書の分析と手話例文分析が必要である。日本手話の文法について解説した本は最近出版された2冊しかないので、この2冊の本の文法項目をデータベース化するため、項目と例文(日本語表記したもの)をパソコンのデータベースに入力した。(4月-12月)入力に必要な機器、データはその都度送付した。 手話例文の収集としては生の会話文分析は技術的にも労力的にも不可能であるため、放送されたものを利用することにした。ただし手話ニュースなどは厳密な意味での日本手話ではないので、手話ドラマを録画し、その手話例文を記述することにした。(9月-継続中)また年度末になり、通信教育による手話講座があることを知ったので、ビデオを購入、その例文も対象にした。このビデオは基本語彙や教授法の参考資料ともなる。 2.基本語彙の選択 すでに発表した「日本手話電子辞書」(CD-ROM)に搭載されている基本語彙661語について、ろう者、通訳者の意見を聴取、語彙項目、手話形についての批評をえた。また音韻記述データを分析して、手型、両手関係の頻度の偏りを抽出、手話教育の際の項目配列の資料とした。 (研究発表) 3.手話電子化辞書研究の分析 現在、国内9チームの手話電子化辞書研究グループがあるが、共同でこれらの研究内容を分析、共通項目により分類し、特徴を比較した。(研究発表) 語学教育においては辞書が不可欠であるが、手話という言語にはとくに辞書のあり方が大きく影響するので、辞書研究の実態を把握しておく必要がある。 4.手話教材研究会 実際に手話教育に関係する人々に集まってもらい、その経験からどのような基本例文があり、その配列はどうすべきかを討論している。今年度は3回しか開催できなかった。
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