平成7年度の予算を活用し、コンピューター一式、音声分析器および加速度計を購入した。実験計画では発話と重心運動の関連を追及するために重心測定器の購入を予定していたが、以下のような諸問題により計画変更を余儀なくされた。 1)予算の限界 2)重心測定器の測定時間の限界 3)重心測定器と音声の同期が不可能。 4)コンピューターと重心測定器との互換性がない。 5)計測上の問題:重心測定は身体運動の測定の中でも静的であり、測定値と言語発話の関連を究明することにはさらに部分的かつ微量の運動でもデータ観察が可能なパラメータを選択する必要性がある。 上記の諸問題を克服し、平成7年12月にようやく頭部運動の加速度と音声の同期をコンピューター上で計測できるシステムの構築に成功した。その後、頭部運動と言語発話の関連が以下の点において明らかとなりつつある。 1)マクロの視点(10秒の発話単位)から観察すると英語と日本語の加速度の標準偏差には有意差が存在する。2)ミクロの視点(20から500ミリセカンドの発話単位)から観察すると、VOTおよびP-Centerと有機的な関連性がある。
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