研究概要 |
1.The Rationale for Kingship in Nepal,Nepali Political Science and Politics,Political Science Association of Nepal,1996(published 1997). ネパールの立憲君主制を日本の象徴天皇制と比較研究した。 ネパールの政治や憲法は日本の学界ではこれまでほとんど議論されることがなかったが、唯一の例外はその君主制である。日本の憲法学者たちは、天皇制を研究する中で、天皇との比較対象の一つとしてネパールの国王に注目した。天皇制を理解するためのネパール君主制研究である。 この論文では、ネパール君主制を理解するために、それを天皇制と比較し、その特質をいくつか引き出すことを試みた。 2.「初期のネパール共産党」、『紀要』(東北芸術工科大学)、1998. ネパール共産党の初期の歴史を憲法史と関連付けながら考察した。 ネパール共産党は、1949年の党創立以来、国王派、コングレス党と鼎立する現代ネパールの3大勢力の一つである。当初から左派は共和制、右派は立憲君主制をとり、国王派やコングレス党と憲法体制をめぐる闘争や駆け引きを繰り返してきた。特に1990年革命以降、共産党は勢力を伸ばし、94年選挙で議会第1党となり、今日に至っている。 ここでは、49年の党創設前後から62年の党分裂の頃までの共産党史を跡づけた。 3.ネパール憲政史文献目録の作成 ネパールの現代史、憲法、政治、経済、社会等に関する文献目録を作成した。
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