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1995 年度 実績報告書

遷移放射を利用したニュートリノ磁気能率測定法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 07804018
研究種目

一般研究(C)

研究機関高エネルギー物理学研究所

研究代表者

作田 誠  高エネルギー物理学研究所, 物理研究部, 助手 (40178596)

研究分担者 鈴木 洋一郎  東京大学, 宇宙線研究所, 助教授 (70144425)
白井 淳平  高エネルギー物理学研究所, 物理部, 助手 (90171032)
キーワードニュートリノ / 遷移放射 / ニュートリノ磁気能率
研究概要

平成7年度の研究実施計画には次の様に書いた。(1)物質膜の選定調査。(2)γ線の吸収、散乱等の効果の考慮。(3)宇宙線バックグランドの評価とその回避法考案。(4)日本の福島原子炉ビーム,KEK-PSでの神岡実験に関係したNeutrino-Beam調査。(5)カロリメータの設計。
平成7年度にはまず遷移放射過程ν→ν+γの物理的なバックグランドの再評価を行った。当初はバックグランドはν+e→ν+e反応が唯一のものと思っていた。しかし、その他にもニュートリノと原子核との弱い相互作用による励起反応ν+N→γ+N^′も考慮すべきことが判った。幸い、後者のγ線は等方的であり、ニュートリノエネルギーEν=1-10MeVではMeV以上のγ線を出す確率は小さいことが判った。項目(1,5)の物質膜、及びカロリメータの選定に関してはかなり理解が進んだ。検出器としては物質膜とカロリメータを兼ねたシンチレーションファイバー検出器が現在一番良いと考えている。我々の場合、0.3mmφのシンチレーションファイバーから成る3mx3m幅のシート状のものを1mm間隔にして約10^4枚(約10m)集めたものである。これはKEK-PSスーパー神岡間のニュートリノ振動実験の検出器としても候補に挙げられて開発が進められている検出器とほとんど似たものである。このシンチレーションファイバー検出器の製作法については、CERNのCHORUS実験で大量にシンチレーションファイバー検出器を製作した名古屋大学丹羽研究室を訪問し有益な知見を得た。また、シンチレーションファイバー及びフォトマルを購入し光量測定、減衰長測定も実施した。項目(2)については、MeV領域のγ線は検出器中で完全にエネルギーを失って止まるまでに数回のコンプトン散乱を経験する。従ってγ線の方向とエネルギーを測定するためには反跳電子のエネルギーと方向を測定しなければならない。これが難しい点であるが、シンチレーションファイバー検出器の細かさをもってして可能になると評価される。項目(4)のニュートリノビームとしては原子炉(Eν=1-10MeV)を使うのが強度とエネルギーの点で一番有利であることが判った。これ以上の高エネルギーニュートリノを使うと標準理論からのバックグランド反応ν+e→ν+eの断面積が大きくなるからである。(3)の項目についてはシールド、veto-systemとシンチレーションファイバー検出器のトラックの方向性の情報と組合わせれば容易である。以上から総合して、ほぼ満足に計画を実施できた。

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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