研究概要 |
今回の科学研究費補助金でパーソナルコンピュータを購入し、いくつかの交通流モデルを考え、そのシミュレーションのためのプログラム開発し、シミュレーションを行なつた。また電話回線を通じ、パソコンと名古屋大学大型計算機センターとのネットワークを構築し、大型計算機の端末として計算機の処理能力を利用するとともに、大学間ネットワークを利用して、研究成果データベースの検索や、Eメール等インターネットを通じて交通流に関心ある研究者との情報交換や共同研究を行った。そのため交通流に関心ある全国の研究者に呼びかけ、お互いの研究成果の交流と討論の場となるための組織「交通流数理研究会」を作った。そして交通流数理研究会の成果発表会としてシンポジウム「交通流のシミュレーション」を12月1日に名古屋(出席者約30名)で開催した。シミュレーションを行った交通流モデルは、 1 高速度道路のような1次元的道路の交通流に対して、1次元セルオートマトンを適用し、その渋滞・非渋滞相転移を調べた。従来のモデルにおける車の速度をさらに高速度まで拡張し、相転移、車の台数などを平均場近似で解析した。 2 1次元道路を横切る時間を求めるOD問題を平均場近似から求めた。 3 市街地道路のモデルとしてのBiham2次元モデルにおいて、各行、各列上の車数を同じにしたときの交通流を調べた。平均速度が振動する相、コメンシュレート相(一定)が見つかった。 4 Biham2次元モデルにおいて、交差する片方の車の速度を高速度まで拡張した。新しいone-sided blocking相,mutual blocking相が見つかった。 これらの成果1と3は物理学会欧文誌Vol64,No6に掲載され、2と4は、投稿中である。
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