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1996 年度 実績報告書

低速多価イオン衝突における1電子および多電子捕獲過程の反応全断面積測定

研究課題

研究課題/領域番号 07804026
研究機関東京都立大学

研究代表者

奥野 和彦  東京都立大学, 理学部, 助教授 (70087005)

キーワード多価イオン / 電荷移行反応 / 電子捕獲過程 / 反応断面積測定
研究概要

本研究の目的は、これまでほとんど測定のなされていない低エネルギー領域でできるだけ沢山の衝突系における反応断面積の絶対測定を行い、関連分野の基礎データニーズに答えることにある。本研究期間中には、Ar^<q+>(q=6,7,8,9,11)-H_2,Heの衝突系における1電子および2電子捕獲反応断面積の系統的測定により分極力による衝突軌道が曲がる効果の重要性、および、その効果は1電子捕獲過程より多電子捕獲過程に大きな影響を与える可能性を見出した。この予測に基づき、標的を2電子の水素やヘリウムから多電子系のNeやKrに換え、衝突エネルギーを関数に1電子および多電子捕獲反応断面積を系統的に測定した。その結果、多電子捕獲過程の反応断面積は極小構造を示す特異なエネルギー依存性を示し、多電子捕獲ほど極小構造がより深くなり高エネルギー側にシフトしていく一般的傾向を見出した。解析によりこの現象は分極力による散乱効果によることが解明できた。また、平行して進めていたHe^<2+>O_2,N_2,CO衝突系の電子捕獲反応断面積測定では、衝突エネルギーの減少とともに主要反応が1電子捕獲反応から2電子捕獲反応に入れ替わってしまうなど、これまでのデーターから予想できない数々の新しい知見を得ることができた。さらに、長年に渡り蓄積してきた低エネルギー反応断面積の相当数の測定データーを本研究期間中に整理し、関連分野の基礎データとして資するため成果報告書に取りまとめることができた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Scott Kravis: "Single-and Double-Charge-Exchange Cross Sections for Ar^<9+>+H_2(q=6,7,8,9 and 11)Collisions from 6eV to 11KeV" Physical Review A.52. 1206-1212 (1995)

  • [文献書誌] Kazuhiko Okuno: "Cross Section Measurments and the Orbiling Effect in slow Charge Transfer Collisions of Highly Charged Ions" Atomic Collision Research in Japan. 21. 50-51 (1995)

  • [文献書誌] Kazuhiko Okuno: "Measurements of Charge Transfer Cross Sections of Ar^<9+>(q=6,7,8,9 and 11)Collisions with He and H_2 Targets at Low Energies" American Institute of Physics,AIP.Conf.Proc.360. 867-876 (1995)

  • [文献書誌] Kazuhiko Okuno: "Ming-EBIS Report on Electron Capture in Slow Collisions of Multiply charged Ions with Neutral Targets" Physica Scripta. (in press). (1997)

  • [文献書誌] Ken Suzuki: "Single-and Double・Charge Changing Cross Sections in Slow Collisions of Ar^<9+>(q=4-9) with Ne" Physica Scripta. (in press). (1997)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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