研究課題/領域番号 |
07804031
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
福澤 仁之 東京都立大学, 理学部, 助教授 (80208933)
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研究分担者 |
高岡 貞夫 東京都立大学, 理学部, 助手 (90260786)
岩田 修二 東京都立大学, 理学部, 教授 (60117695)
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キーワード | 年縞 / 海水準変動 / 小氷期 / 中世温暖期 / 風成塵 |
研究概要 |
水月湖、東郷池、小川原湖の年縞堆積物や十三湖・浜名湖の湖底堆積物を用いて、平成7年度と同様に堆積物中の鉄・粘土鉱物組成を明らかにした.その結果、過去2000年間〜過去36000年間の気候・海水準・降砂変動を1年〜数年単位で検出することができた.とくに、計画した大型植物遺体の^<14>C年代のAMSによる測定や埋没材の年輪年代学的検討は、現在も引き続き分析や検討を行っているが、今までに分析結果は年縞堆積物による編年を支持していることが明らかになった.これらの編年に基づいて、プレートテクトニクスによるテクトニックな変動を受けにくい日本海側の過去36000年間の海水準変動と降砂変動を検出でき、小氷期、中世温暖期、ヤンガードリアス期やハインリッヒ・イベント1〜4などが検出できた.しかしながらこれらの年代は、グリーンランド氷床コアで編年された年代よりやや新しく示されるが、中国の氷床コアの酸素同位体比変動結果は逆に今回の分析結果を支持している.したがって、これらの時期のずれは北大西洋から東アジアへのテレコネクションによるタイムラグの可能性が指摘できる. また、東郷池や水月湖における過去の海水準変動や降水量変動の絶対値をテフラ層を使用して明らかすることに努めた.その絶対値は段丘堆積物を用いた結果と整合的であり、とくに今までまったく明らかにされていなかった海水準の下降速度(4.08mm/年)が明らかになった. 過去2000年間の気候変動の地域性についても明らかにする.これらの年縞堆積物の分析結果に基づいて、数値解析(最大エントロピー法によるスペクトル解析)を行い、日本列島の気候変動の周期性を検出した.
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