研究概要 |
1.分光学的データの分かっている種々の酸素化合物間の^<16>O-^<17>O、^<16>O-^<18>O、^<16>O-^<19>O、^<16>O-^<15>O交換反応の平衡定数を、量子統計力学に基づいて温度を50Kから2000Kまで変えて計算したところ、多くの異常同位体効果を示し同位体比異常を起こす平衡が見いだされた。例えば、酸素分子と他の2原子酸素化合物(MO)間の反応では、MOがBO、PO、GeO、ZrO、NbO、HfO、TaO、WO、IrO、ThOのとき同位体比異常が起きることが明らかになった。 2.熱力学的同位体効果算定用CACheシステムを使用して、種々の化学種の基準振動数を分子軌道法で計算して同位体交換平衡定数を計算し検討したところ、正確な結果が得られこのシステムが同位体効果の計算に適していることが分かった。 3.酸素分子と他の2原子酸素化合物(MO)間の酸素同位体交換反応系について、平衡定数と分子の力の定数との関連を理論的に調べたところ、Mが酸素より重い場合にはMO分子の力の定数が酸素分子のそれよりも小さいときに、また軽い場合には大きいときに、異常同位体効果を示すことが明らかになった。 4.平成7年度の研究結果の一部は、第39回放射化学討論会(1995年10月、新潟大)、日本地球化学会年会(1995年11月、東海大)、およびGordon Research Conference(Ventura,CA.,U.S.A.,Feb.1996)で発表された。
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