研究課題/領域番号 |
07804047
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
柄谷 肇 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 助手 (10169659)
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研究分担者 |
中山 英一郎 滋賀県立大学, 環境科学部, 助教授 (50108982)
平山 鋭 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 教授 (90027912)
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キーワード | 発光 / 電解酸化反応 / 電極触媒酸化反応 / ヒドロキシ化合物 / 糖 / 発光増幅 / エネルギー移動 / クロマトグラフィー分析 |
研究概要 |
アルカリ性水溶液中におけるヒドロキシ化合物の電解酸化反応で誘発される新規な発光のメカニズムを説明すると共に、本発光を利用したアルコール・糖の高感度センシング法を確立した。以下に、研究成果の概要を述べる。 グラッシーカーボン(GC)を作用電極として簡単な構造のメタノールの発光機構を検討した結果、メトキシドイオンの電解酸化で生成するメトキシルラジカルの不均化を経由して、電子励起状態のホルムアルデヒドの生成が示唆された。多様なポリオールおよび糖の電解発光特性の解析結果からも、発光は電子励起状態のアルデヒドの生成を経ることが示唆された。また、蛍光試薬存在下における電解酸化過程では、エネルギー移動に基づいて発光は著しく増幅されることを見出した。種々の金属電極によるヒドロキシ化合物の電解酸化過程を検討した結果、GCとは異なり反応はすべて暗過程であることが判った。ところが、Ni電極では、アルカリ性条件下で電極表面をアノード処理して、電極触媒化を図ることにより、蛍光試薬を含むヒドロキシ化合物の溶液の電極触媒酸化過程において、特異的な発光が輻射されることを見出した。この発光種は、電極触媒酸化過程で生成した励起化学種と蛍光試薬との間で形成される、複合体であることが示唆された。 一方、ヒドロキシ化合物の酸化過程で生成する発光を利用したアルコールおよび糖の新規な検出法について検討した。主にGC電極を用いて、発光特性を種々検討した結果、発光強度と試料濃度との間に、広い濃度範囲(μM〜mM)で直線性が成立することを実証した。さらに、実用性の高いフロースルー分析法への応用を検討し、1試料中数十ピコモルのヒドロキシ化合物の定量を可能とする発光検出系を確立した。さらに、これをクロマトグラフィーの検出系に利用し、多種多様なアルコールおよび糖の高感度分析法を確立した。
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