今年度得られた成果及び新しい知見をまとめれば以下のようになる。 1 ネットワーク規模が大きくなると車輌台数と各車輌に乗車させる乗客の組合せにより、ニューラルネットワークにおいて複数回のマトリクス計算が必要になる。この点を解決するために仮想的な都市を追加することによりニューラルネットワークにおけるマトリクス計算で場合分けを行わず計算を1回だけで済ませるダミ-ポイント法を開発した。 2 前年度、使用する車輌の台数の変化に対して、全車輌の走行距離の和とその内の最大走行距離の関係は、互いにトレードオフの関係にあることから評価関数を構築し、検討を行ったが最適な車輌台数の探索には不都合な点があることが明らかになった。 3 前項2の結果から最適な車輌台数を探索するための手法として階層分析法(Analytic Hierarchy Process)を適応することにより最適な車輌台数の決定が行える可能性のあることが分かった。 現在までに中規模のネットワークを用いて、ダミ-ポイント法が有効であることを確認している。今後このダミ-ポイント法の有効範囲を確認するために様々な乗客の配置データを用いて実験を行う必要がある。また、階層分析法の適応に関しても現在詳細な検討を行っている。
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