研究概要 |
今年度得られた成果及び新しい知見をまとめれば以下のようになる。 1.本課題では、経路の組み合わせだけでなく、車両台数と各車両に乗車させる乗客の組み合わせを考慮しなければならない。通常の巡回セールスマン問題よりもネットワーク規模が大きくなると、組み合わせの数は更に多くなってしまう。この点を解決するために、幾何学的な情報をもとにした遠近率と呼ぶ一種の評価関数を導入することにより領域分割を行う手法を開発した。 2.前述の手法を適用する際に,都市同士の距離関係を調べ互いに最近傍となる位置関係の都市は,同一の車両が訪問するという制約条件を設けることにより実質的に検索するための都市数を減らすことが出来た。 上記の2点により,車両と訪問する都市の組み合わせを短時間で決定することが出来るようになった。 3.経路決定において時間を要する原因は,経路の距離比較を行うことにある。従って,この点を考慮して,ヒューリスティックな手法の一つである最近傍検索を適用することにした。これにより経路の距離比較を行うこと無しに経路決定を行うことが出来た。 具体的なデータの量は十分とは云えないが,現在までに得られた遺伝的アルゴリズムや分枝限定法などと比較したデータからは,本手法が計算時間の面では圧縮的に短く,計算精度の面でも遺伝的アルゴリズムよりも優れているという結果を得ている。
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