研究課題/領域番号 |
07805077
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
大谷 文章 京都大学, 工学研究科, 助手 (80176924)
|
研究分担者 |
西本 清一 京都大学, 工学研究科, 教授 (10115909)
古南 博 近畿大学, 理工学部, 助手 (00257966)
|
キーワード | 光触媒活性 / 表面積 / 結晶化度 / 電子-正孔再結合 / 水熱結晶化法 / 有機溶媒 |
研究概要 |
種々の市販あるいは実験室において調製した酸化チタンにその活性を検討した結果、液相系光触媒反応に大きく影響をおよぼす触媒の物性は、表面積と結晶化度であることが明らかになった。表面積が大きいほど、反応基質の吸着量が多いので活性は増大する。一方、半導体の結晶化度が高いものほど、結晶欠陥が少なく、そのため、励起電子と正孔の再結合が抑制されるので活性が向上するものと思われる。文献調査によって、過去の報告例をこの作業仮説にもとづいて整理しなおすことも試みたが、ほぼすべての場合について矛盾なく結果を説明することができた。したがって、高活性な酸化チタンの条件が「表面積が大きく、かつ結晶化度が高い」であるという、申請者らが提案してきた作業仮説は、いずれの酸化チタンも用いた反応系の場合でも適用できることを確認した。しかし、結晶化度と表面積は互いに密接に関係するうえ、おおまかにいえば逆方向に作用するため、高活性化の戦略は単純ではない。このような条件を満足する酸化チタンを調製することは、従来法、すなわち一旦水酸化チタンあるいはオキシ水酸化チタンを調製してからこれを焼成する方法ではほぼ不可能であるとの結論に達したので、新規な方法を模索したところ、まったく新しい金属酸化物調製法であるHyCOM(Hydrothermal Crystallization in Organic Media)法が、高表面積で、かつ結晶化度の高い酸化チタン粉末の調製を行うためにきわめて有効な手法であることを確認した。
|