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1996 年度 実績報告書

ゲル化過程の動力学理論

研究課題

研究課題/領域番号 07805086
研究機関名古屋大学

研究代表者

土井 正男  名古屋大学, 工学部, 教授 (70087104)

研究分担者 山田 慶治  名古屋大学, 工学部, 助手 (90023142)
松本 充弘  名古屋大学, 工学部, 助教授 (10229578)
キーワードゲル化 / ゾル.ゲル転移 / シミュレーション / 架橋反応 / 相分離 / 構造形成
研究概要

ゲル化とは、温度や溶媒など外的条件を変えた時、高分子やコロイド系が流れる状態(ゾル)から流れない状態(ゲル)へ転移する現象である。ゲル化はこれまでパーコレーションの理論により取り扱われてきたが、このようなゲル化理論では、鎖の運動性やゲル化に伴う構造変化を調べることができない。本研究ではゲル化を物理的に記述する理論の構築を目指している。
この目的のために本研究では、ゲル化に伴う構造変化を考慮したモデルを用いてゲル化過程のシミュレーションをおこなった。高分子はいくつかの会合点を持っており、会合点と会合点が一定距離以内に近づくと一定の結合エネルギーだけ下がる。結合は特異的であるので一定数(4ないし5)以上の結合はできない。初期状態として高分子がランダムに分布している状態を考え、モンテカルロ法により、系の時間発展を追った。平均分子量の時間変化よりゲル化速度を計算した。この結果以下のことが分かった。
(1)ゲル化に伴い相分離に見られるような高分子濃度の大きな不均一が現れる。相分離では散乱ピークを与える波数は時間とともに減少するのみであるが、ゲル化に置いてはある時間より先は波数の変化が見られなくなる。これらの結果は中性子散乱の実験結果と一致している。(2)ゲル化にともない重量平均分子量は時間のほぼ2乗に比例して増大するが、その代表的に時間は濃度の-2乗に比例している。
一方、ゲル化は広い意味での高分子系の構造形成と考え、構造形成にともなうレオロジー的な挙動の変化の研究も行った。具体的には、ABAブロック高分子のミクロ相分離相の粘弾性を計算し、ABブロック高分子との粘弾性の違いを明らかにした。またABブロック高分子のつくるラメラ相に流れを加えたときの構造変化とレオロジーの関係も明らかにした。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Tsutomu Tomari: "Hystersis and Incubation in the Dynamics of Volume Transition of Spherical Gels" Macroromolecules. 28-24. 8834-8843 (1995)

  • [文献書誌] Yuichi Masubuchi: "Conformational Dynamics of DNA during Biased Sinusoidal Field Gel Electrophoresis" Electrophoresis. 17. 1065-1074 (1996)

  • [文献書誌] Hidehiro Oana: "Motion of Large DNA Molecules Traveling from Solution to Gel under Steady Field" Journal of Polymer Science : Part B : Polymer Physics. 34. 1105-1111 (1996)

  • [文献書誌] Masao Doi: "Stress-Diffusion Coupling" Proceedings XIIth International Congress on Rheology. 14-17 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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