インゲンマメの小葉運動と葉枕活動電位との関係を明らかにするため、N_2ガスを用いた呼吸抑制条件における光照射実験の結果、以下のことが明らかになった。 (1)暗黒条件下における葉枕の表面電位は、N_2ガスの置換とともに徐々にマイナス方向への変化を示した。 (2)葉枕に白色光を照射する実験の結果、無酸素状態(N_2ガス置換)における小葉運動は酸素状態より明らかに小さかった。また、活動電位にも明らかな差異が認められ、酸素状態で見られた照射直後のマイナス方向への急激な葉枕の上部表面の変化が認められなかった。 (3)白色光、赤色光、緑色光および青色光の照射処理による小葉運動は、無酸素状態において全体に抑制的な反応を示したが、白色光および緑色光照射の反応は赤色光と青色光より比較的大きく、この傾向は酸素状態の反応と同様であった。この白色光と緑色光照射において、葉枕の上部と下部表面の間で大きな電位差が認められた。しかし赤色光と青色光の照射では、このような電位差をほとんど示さなかった。
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