研究課題/領域番号 |
07806008
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研究種目 |
一般研究(C)
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
梶浦 善太 信州大学, 繊維学部, 助手 (10224403)
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研究分担者 |
中垣 雅雄 信州大学, 繊維学部, 助教授 (70135169)
武井 隆三 信州大学, 繊維学部, 教授 (80021161)
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キーワード | 栄養細胞 / 卵母細胞 / 包卵細胞 / 30Kタンパク質 / ビテロジェニン / アラタ体 / 幼若ホルモン / 卵形成 |
研究概要 |
家蚕の生殖腺の発育タイムテーブルを作成するため、限性Ze(雌虎蚕)の卵巣を光学顕微鏡で観察した。1-3齢幼虫の卵巣は生殖幹細胞と卵原細胞で満たされており、2齢幼虫の卵巣は将来卵巣小管となる4つの部屋に分かれていた。4齢幼虫の卵巣で卵巣小管の先端に近いほうから栄養細胞、卵母細胞、包卵細胞の分化が始まった。栄養細胞と卵母細胞が肥大し始めるのは4齢2-3日からであった。これら2つの細胞が形態学的に識別できるようになるのは4齢4日の最も早く発育進行中の細胞からであった。5齢脱皮後、卵形成はいっそう活発になり、たいていの卵原細胞は栄養細胞と卵母細胞へと分化した。包卵細胞は卵母細胞の周りで厚い層となり、栄養細胞の周りでは薄い層を形成した。卵殻(コリオン)形成は吐糸2日の最も早く発育した卵で観察され、卵母細胞の側から形成され始めた。卵巣を破って卵巣小管が伸長するのは蛹0日であった。 卵黄タンパク質の一つ(30Kタンパク質)は5齢2日から、また、ビテロジェニンは吐糸1日から卵巣に蓄積され始めた。このことから卵黄形成は5齢初期から始まると推定した。 4齢1日にアラタ体除去し、早熟変態を誘起した。その場合、卵巣発育は早まり、4齢5日(吐糸1日)には対照実験個体より卵巣の発育ステージがすすみ、肥大した栄養細胞と卵母細胞と発達した包卵被膜細胞層が形成されていた。そこで、アラタ体から分泌される幼若ホルモンは卵巣発育を抑制する作用を持つと考えられた。
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