研究概要 |
天蚕と柞蚕の雌脂肪体特異タンパク質の性状と機能解明の一助として24KcDNA塩基配列を決定した。 天蚕24KcDNAの転写開始点からポリA付加部位までの全長は844bpであり、柞蚕24KcDNAの転写開始点からポリA付加部位までの全長は834bpであることがわかった。これら二つのcDNAのホモロジーを調べると、全体では94.7%のホモロジーがあった。2つのcDNAが持つオープンリーディングフレーム(ORF)は621bpであり、207個のアミノ酸からなるペプチドをコードすることが判明した。天蚕と柞蚕の24KcDNAがコードするペプチドの分子量はそれぞれ23,743と23,713であり、SDS-PAGEで求めた24Kタンパク質の分子量と一致した。天蚕24KcDNAから解読したアミノ酸配列において、第3-19番の17個のアミノ酸配列はエドマン法で決定したアミノ酸配列と完全に一致したため、このcDNAは24Kをコードすることが確認された。その他、N-linked glycosylation siteのコンセンサス配列が1つ見つかった。これらのN末端アミノ酸配列とN-linked glycosylation siteは柞蚕24Kでも保存されていることが判明した。天蚕・柞蚕の解読された24Kアミノ酸配列を比較すると、97.6%の高いホモロジーを示した。ノーザンブロット分析により、24Kの転写が時期特異的であり、サザンブロット分析により、ハプロイドゲノムあたり1つまたは2つのコピーがあることがわかった。Ap24K,Ay24KとGSTのアミノ酸配列比較で、折り畳みに重要なプロリン、ロイシン、グリシン、アスパラギン酸の4つのアミノ酸が保存され、Ap24K,Ay24KはクラスIIGSTと26〜28%のホモロジーがあった。
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