| 研究概要 |
オジギソウを化学的に刺激することにより,動物の神経や筋肉と類似した植物の応答としての電位変化(インパルス)を指標とし,このようなインパルス発生物質を広く天然から見い出すための簡便な生物試験法の開発・確立及び種々の化合物群や植物成分中のこのような物質探索を研究目的として,これまでセンダン科センダン(Melia azedarachL.)の実の抽出物からL-グルタミン酸ナトリウムを活性物質として単離・同定した。また,市販の非天然型D-体はインパルスを生じないという興味ある結果が得られた。
平成8年度は,主としてマメ科ネムノキ(Albizzia julibrissin Durazz)の葉のメタノール抽出物に含まれる本活性物質の探索をおこない,2種の活性成分を得た。この内の1種は環状アミノ酸であると考えられ,化学構造と種々の生理活性についても明らかになりつつある。もう1種の活性物質は分子量約400で新規化合物であると考えられ,その構造と生理作用については現在検討中である。
また,スクリーニングの結果,他の植物のメタノール抽出物中にも強いインパルス発生成分が含まれることがわかったので,現在この成分について単離を進めている。
|
