研究課題/領域番号 |
07806029
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
長南 史男 北海道大学, 農学部, 助教授 (00113697)
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研究分担者 |
修 震傑 北星学園大学, 経済学部, 講師 (90285510)
近藤 巧 北海道大学, 農学部, 助手 (40178413)
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キーワード | 農作業受委託 / 契約 / ゲーム理論 / 情報の不完全性 / 契約不可能条項 / ファームコントラクター / 高度な作業 / 易しい作業 |
研究概要 |
ガットの農業合意が成立し、農業部門の変革の必要性が唱えられているが、これまでの研究は生産費用の低減のみに着目し、経営組織体のインセンティブシステムについての研究蓄積は少ない。近年、ファームコントラクター(農作業受託会社)に対する期待が急速に高まっている。十勝地域では、少なくとも10社の農作業受託組織が営業し、このうち7社が農家や農協が主体とならない民間企業であり、いずれも1991年以降に設立された。農家の期待は大きく、農協はおおむね協力的であり、おおかたが受託事業にたいする需要は今後拡大すると予想している。しかしながら、受委託作業が「専門知識」を必要とするという認識は低く、現時点では「労働力不足」を補う単純作業が中心で高度なレベルの作業を委託する段階にはない。今後、農作業受委託は機械の共同利用・共同作業に代替しうる、あるいは新しい農業経営組織体として成長しうるのであろうか。本研究では、ファームコントラクターの契約の実態を精査し、ゲーム理論によって農作業受委託契約成立のメカニズムを解明した。また分析の強調点は、組織内部の契約システムや作業の質に関わる情報に対する認識の重要性である。プロトタイプの理論モデルの帰結、「高度な仕事」をこなしうる企業が進出せず、「易しい農作業」の受託にとどまる企業が進出して低料金、低質サービスを提供し、農家は単純な仕事を任せるという状況を改善するためには、農家と連帯感が強い社会を作ること、第三者による監視の強化が必要となる。モデル分析の政策的な含意として、現時点では、完全情報の条件、低料金の設定において農協組織が優位に立っているが、企業的なマネジメント能力において民間企業による農作業受託会社の可能性はあることが示唆される。
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