研究概要 |
人口知能技術の中で学習能力および推論・判断能力が高いとされるニューラルネットワークを援用し,十分精度の高い予測を可能とするとともに,得られた予測結果に基づき生育を制御し最適生産を実現する家畜飼養管理支援システムの開発の端緒として,年間を通じて誕生した約620頭の肥育豚の系統,性別,生時体重および当該豚の生体重が約100kg(仕上り体重)に達するまでの週毎の体重の推移,同じく時系列の摂取可消化エネルギーおよび飼育環境データ(舎内気温)といった生育データを収録した。 肥育豚の出荷時期の見積や豚房の入替えなどの指標の一つとして重要な仕上り日令の予測(成長予測)を満8週令の時点で行うこととする一方,本研究に先立って準備的に実施した肥育豚の成長予測シミュレーションの結果を解析し,系統,性,生時体重,満8週令体重,満3週令から8週令までの体重の増分,満8週令までに摂取した飼料の累積可消化エネルギーおよび満4週令から8週令まで過ごした豚舎の舎内平均気温等を成長予測因子として選定した。さらに,先の約620頭の肥育豚の生育データよりこれらの成長予測因子を各個体毎に抽出した。 また,成長予測ニューラルネットの中間層数,中間ユニット数等に依存するネットアーキテクチヤの最終決定を目的として,先に各個体毎に抽出した成長予測因子に基づく成長予測シミュレーションを準備的に行った。 次年度には,当初の研究計画に記載し本年度に実施できなかった項目も交え,研究を発展させる予定である。
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