研究概要 |
人工知能技術の中で学習能力および推論・判断能力が高いとされるニューラルネットワークを援用し,十分精度の高い予測を可能とするとともに,得られた予測結果に基づき生育を制御し最適生産を実現する家畜飼養管理支援システムの開発の端緒として,年間を通じて誕生した約620頭の肥育豚の系統,性別,生時体重および当該豚の生体重が約100kg(仕上り体重)に達するまでの週毎の体重の推移,同じく時系列の摂取可消化エネルギーおよび飼育環境データ(舎内気温)といった生育データをもとに、生長予測ニューラルネットによる肥育豚の仕上がり日齢予測シミュレーションを行った。また,線形重回帰モデルによる予測も合わせて行った。 H7年度に生育データを収集した肥育豚の内、約400頭について生育条件と仕上り時(生体重100kgの時点)の肉質(枝肉重量、背脂肪厚、ロース面積、屈折率、格付けなど)に関するデータを収集した。 一方,新しい生長予測技術として,遅延付きフィードバックループを構成することにより時系列データの自己回帰予測が可能となる多層ニューラルネットの開発を試行的に行うとともに,同モデルによる生長予測シミュレーションを準備的に行った。
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