牛レンズカプセルとヒト胎盤から精製したIV型コラーゲンには180Kd以外に160Kdのα鎖が見られた。従来IV型コラーゲンの研究にはEHS tumorの細胞外マトリックスより精製したIV型コラーゲンが用いられてきた。この標品では180Kdのα鎖のみ見られる。このことからIV型コラーゲンもI型コラーゲン同様酵素による切断を受けより低分子量の160Kd鎖になり基底板の網状構造を形成する可能性が示唆される。実際、正常組織(牛レンズカプセルとヒト胎盤)由来IV型コラーゲンから正常組織における基底板の緻密さに匹敵する網状構造を再構成することが出来た。これらは人口皮膚作成時に表皮細胞の支持体として期待される。 線維芽細胞とI型コラーゲンゲルから作成した人口真皮の培養液中にラミニン5型(5μg/ml)を加えることにより基底板が形成されること明らかにした。さらにレチノイン酸をラミニン5型に追加すると基底板の形成が促進されることが明らかになった。
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