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1996 年度 実績報告書

脾洞内皮細胞の血球通過機構-細胞間接着装置と細胞骨格の動態

研究課題

研究課題/領域番号 07807005
研究機関福岡大学

研究代表者

上原 清子  福岡大学, 医学部, 助教授 (00084244)

キーワード脾洞 / 内皮細胞 / 中間結合 / 密着結合 / ストレスファイバー / アクチンフィラメント
研究概要

脾洞の壁を作っている内皮細胞は杆状をしており、細胞間には血球が通りぬけることのできる隙間がある。内皮細胞には、細胞自身が能動的に収縮し、細胞間接着装置を解離させ、形を変えることにより血球などの通過を調節する機構があるのではないかと推測される。血球通過の調節のメカニズムを解明するため、内皮細胞の微細構造、とりわけ内皮細胞間の接着装置と細胞内骨格の構造、アクチンフィラメントの分布と配列について、高分解能走査型電子顕微鏡、透過型電子顕微鏡を用いて調べた。次結果が得られた。
1.freeze-fracture法で作成したレプリカから、脾洞内皮細胞間に見られるtight junctionはfocal tight junctionで、facia occludensとmacula occludensの二種類のタイプがあることが解った。
2.通常の超薄切片の観察から、脾洞の内皮細胞の細胞間結合の主なものはadherens junctionであることが解った。adheren junctionのjunctional membraneの細胞質側には電子密度の高いunder coatingがあり、それにactin filamentsが付着していた。adherens junctionに付着しているactin filamentsは、stress fibersのactin filamentsとも連続していた。
3.たが線維間を走るとされているstree fibersはたが線維間を越えて広く細胞内に広がりnetworkを形成していた。また、stress fibersの形状には収縮したようなものや伸展したようなものが観察された。縦断された内皮細胞でこれらの二つのタイプのstress fibersの距離(focal adherensからfocal adherensまでの距離)を計測し統計をとったところ、この二つのタイプには0.01の危険率で有意差があった。stress fibersは単離細胞や培養細胞などで収縮することが既に知られているが、脾洞の内皮細胞のin vivoの状態でも収縮と伸展の状態があると考えられる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] K.Uehara & M.Miyoshi: "Junctions between the sinus endothelial cells of rat spleen" Cell and Tissue Research. 287,1. 187-192 (1997)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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