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1995 年度 実績報告書

血管内皮細胞の貧食様細胞への分化転換

研究課題

研究課題/領域番号 07807007
研究種目

一般研究(C)

研究機関神戸大学

研究代表者

北口 博教  神戸大学, 医学部, 助手 (20107949)

キーワード血管内皮細胞 / 細胞分化 / FGF / 血清
研究概要

(1)培養液の性状(a)アルブミンの内皮細胞に対する効果5%(血漿と同濃度)のアルブミンを199培地に加える事で、内皮細胞の上皮様形態をかなり長期間維持することが可能となった。このアルブミンの効果はデキストランやゼラチンで置き換えることはできなかった。この事実よりアルブミンの内皮細胞に対する効果は、膠質浸透圧などの物理的効果のみならず、アルブミンのフリーラディカル除去作用あるいはアルブミンに結合している何らかの血漿成分の作用を考慮する必要が認められた。
(b)フリーラディカル生成防止法の検討 アルブミン依存下でvitEが最も効果的に内皮細胞の上皮様機能・形態を維持した。vitEが存在すれば高酸素下でもかなり効率的にスリ-ラディカルの生成を防止することができた。上皮様機能・形態の維持という観点からすればvitCやカロチノイド類はvitEに比較してさほど効果は認められなかった。このことより細胞膜表面あるいは培養液中の脂質の酸化防止が内皮細胞の機能・形態維持に重要な条件となることを示している。
(c)コーチゾールの効果 血中と同濃度のコーチゾールはかなり効果的に内皮細胞の貪食様細胞への分化を阻止することが明らかとなった。
(2)増殖因子の検討 内皮細胞の貪食様細胞への分化転換阻止効果の観点からみるとPGF ECGF IGF EGFにはその効果は認められなかった。また当初の予想に反して、FGFは内皮細胞に貪食作用を誘導する作用が顕著に認められた。この事実よりFGFは内皮細胞を間充組織様細胞に分化転換させる誘導因子の一つであることが明らかとなった。
(3)内皮細胞に誘導される貧食作用は新鮮な人血清あるいは牛胎児血清を高濃度(約30%)使用する事により非常に効果的に阻止することが出来た。この事実より血清内に内皮細胞の上皮様機能・形態を維持する何らかの因子が存在する事が確認できた。

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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