研究概要 |
I 電顕による組織化学的・生理学的実験データのあるウサギの大動脈、脳底動脈を実験材料とした。 1.ウサギ脳底動脈、頚動脈、大動脈、腹部大動脈、大腿動脈の各血管全体ホモジェネートの^<45>Caオートラジオグラフィーを行なった。 2.血管全体の^<45>Caオートラジオグラフィーでは^<45>Caの反応が55,000、39,000、25,000、17,000の分子量のタンパク質のバンドに見られた。ウシとブタの大動脈平滑筋層の電気泳動でも同様の結果が得られた。大腿動脈ではムラサキイガイ足糸牽引筋のMCBP450と類似の分子量のCa結合タンパク質が検出された。脳底動脈での^<45>CaオートラジオグラフではCa結合蛋白質を決めることは困難であった。 3.大腿動脈のホモジェナイズからショ糖密度勾配で膜画分を分画したが、膜画分中に高分子量のCa結合蛋白質を確認することが実験上のトラブルからうまくいかなかった。 II 血管全体の^<45>Caオートラジオグラフィーではウサギの各血管とウシの大動脈の中膜の^<45>Caオートラジオグラフパターンが良く似ていることから、試料が量的に多く得られるウシ大動脈を実験材料とした。 1.ウシ大動脈のホモジェナイズの条件をいくつか検討しショ糖密度勾配で膜画分を分画した。酵素活性で確認した細胞形質膜分画について、蛋白質のポリアクリルアミドゲル電気泳動を行い、さらにウエスタンブロッティング法により、これをニトロセルロース膜に転写して^<45>Caと反応させ、オートラジオグラフィーによりCa結合蛋白質の検索を行った。 2.この結果、その結果^<45>Caの反応はミクロソーム画分では110,000、55,000、25,000、17,000の分子量のバンドに、細胞膜画分では110,000と42,000の分子量のバンドに、そして筋小胞体画分では110,000、55,000、42,000の分子量のバンドに認められた。
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