研究課題/領域番号 |
07807011
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研究種目 |
一般研究(C)
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
佐竹 裕孝 岐阜大学, 医学部, 講師 (30187158)
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研究分担者 |
小西 朝隆 岐阜大学, 医学部, 助手 (40225470)
水田 啓介 岐阜大学, 医学部附属病院, 講師 (10190638)
川島 卓 岐阜大学, 医学部, 助教授 (90161314)
宮田 英雄 岐阜大学, 医学部, 教授 (90021469)
松波 謙一 岐阜大学, 医学部, 教授 (90027491)
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キーワード | 宇宙適応症候群 / リスザル / 二軸回転刺激 / 前庭自律反射 / 前庭動眼反射 |
研究概要 |
平成7年度科学研究費補助金によって非観血的連続自動血圧計を購入し、更に動物実験用への改良を行った結果、リスザルの尻尾より安定して血圧の計測が可能となった。本実験形態に適合するように動物用空間識実験装置を改良し、同装置内に据え付けるリスザル固定用モンキーチェア-を製作した。空間識実験装置とモンキーチェア-のフィッティングを計った結果、快適な環境でリスザルの慢性実験を行えうるシステムを整備した。科学研究費補助金で購入した三頭のリスザル(ボリビア産系)に慢性実験トレーニングを実施し、第3四半期までにほぼこのトレーニングを終了し、リスザルに回転刺激を加えても実験中に落ちついてモンキーチェア-に座らせることが出来るまでに実験条件に慣れさせることが出来るようになった。リスザルのトレーニングに予想外の時間がかかってしまったが、覚醒状態における慢性実験を意図している本研究では必要不可欠であるから、多少の遅れは止むを得ないと言える。トレーニングの終了したリスザルに直交二軸回転刺激を加え、その回転速度及び位相等を変化させながら、最もSASの発現の可能性が高く、且つその症状が実際のSASに類似している刺激方法を開発した。同時に、覚醒リスザルに電極やセンサーを装着してデーター計測を試みている。現在、これらの試用に対する評価検討を行っており、問題点の洗い出し並びに改良項目の点検を進めている。リスザルは直交二軸回転刺激に対してよく反応し、SAS症状に非常に類似した徴候を発現し、本実験の方法を満足する被験動物であることを実証できた。二軸回転刺激(特にヨ-軸とピッチ軸の組み合わせ)は各軸を単独で刺激した場合よりも、容易にSAS症状を発現することも確認された。更に、二軸回転刺激では各々の回転速度を変えた方が、SASをより発現しやすくなる傾向が観察された。二軸回転の位相差がSAS発現に与える影響についても評価、検討を行った結果、予想したような大きな影響を見いだせなかったが、この点についてはより詳細な検討が必要か、と思われる。SAS発現時にはモニターしている心電図、心拍数、血圧及び顔面皮膚血流等に大きな変化が認められ、自律系症状を伴うことが確認された。来年度は動眼反射系との関連を検討する予定である。
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