研究課題/領域番号 |
07807011
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
水田 啓介 岐阜大学, 医学部・附属病院, 講師 (10190638)
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研究分担者 |
川島 卓 岐阜大学, 医学部, 助教授 (90161314)
宮田 英雄 岐阜大学, 医学部, 教授 (90021469)
松波 謙一 岐阜大学, 医学部, 教授 (90027491)
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キーワード | 宇宙適応症候群 / 前庭自律反射 / 前庭動眼反射 / リスザル / 二軸回転刺激 |
研究概要 |
宇宙適応症候群発現に適した二軸回転刺激実験を行なう予定でトレーニングをしたが、サルの飼育・訓練に手間取り、未だ十分なデータは得られていない。モンキーチェアは完成している。前年度の科学研究費補助金で購入した非観血的連続自動血圧計を本年度も更に改良し、リスザルの尻尾において長時間安定した血圧計測が可能とする。今後以下の項目について研究を続行する予定である。1.ボリビア産リスザルは宇宙適応症候群の動物シミュレーション実験には相応しい動物である。2.地上で宇宙適応症候群を擬似的に発現させる手段として二軸回転刺激(yaw axisとpitch axis)が非常に有効な手段である。3.但し、二軸回転刺激に於いて各軸の回転速度並びに位置差がもたらす影響については明確な相違が無さそうなので、等速度・同位相刺激の回転刺激を行う。4.二軸回転刺激をリスザルに与えると、前庭自律反射に依る心拍数の増加、血圧上昇等の生理的な変化が認められる。これらの症状は何れも交感神経活動亢進を示唆する。5.心電図R-R間隔及び血圧変動のスペクトル分析からも交感神経活動亢進の成績が得られる。6.顔面皮膚血流量には有為な変化が認められないが、減少傾向が観察される。7.二軸回転刺激によって自発的な眼球運動、いわゆる眼振(nystagmus)が特に水平方向に認められる。垂直方向成分の眼球運動は顕著に観察されない。8.眼振中の緩徐相速度を解析し、その時定数の変化並びにゲインの変化を検討した結果、二軸回転刺激によって前庭動眼反射の神経機構中のvelocity storageやneural integratorに変化が起きている可能性が示唆される。いわゆる適応を意味する結果と考えられる。9.前庭自律系反射と前庭眼反射の間で観られた高い相関関係は、前庭眼反射のニューラル・ネットワークで起こっているような適応反応が、前庭自律系神経機構のなかでも発生しており、この適応反応が宇宙適応症候群を発症させているものと予測される。本研究課題は科学研究費補助金の交付を受け、宇宙適応症候群の機序解明の努力に大いに励みとなった。
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