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1996 年度 実績報告書

ヒト遺伝病とリボソーム蛋白遺伝子の変異

研究課題

研究課題/領域番号 07807020
研究機関琉球大学

研究代表者

剣持 直哉  琉球大学, 医学部, 助手 (00133124)

研究分担者 田中 龍夫  琉球大学, 医学部, 教授 (70018688)
キーワード遺伝子マッピング / リボソーム蛋白 / ヒト染色体地図 / ゲノム
研究概要

リボソームは翻訳の場において、蛋白質の合成工場として重要な役割を担っており、安定したリボソームの供給は、細胞の維持、増殖または各種のシグナルに応じた蛋白質の生産に必須と考えられる。このようなリボソームの生体における重要性から、我々はリボソーム蛋白(rp)遺伝子の変異が、なんらかのヒト疾患の原因になっている可能性があるのではないかと考えている。本研究では、これら遺伝子をヒト染色体にマッピングし、今後の疾患遺伝子の同体に向けた基盤の構築を行った。
rp遺伝子をヒト染色体にマップするために、まず各々の遺伝子に特異的なSTS(sequence tagged site)の作成を試みた。新たに開発した"intron trapping"法にて、80種類のrp遺伝子のうち74種について、目的のSTSを得た。このSTSを用いて、まずハイブリッドマッピングパネルにより染色体を決定した。次に、YACコンティグとRH(radiation hybrid)パネルを使用して、正確な染色体上の位置を調べた。最後に、これら結果をすべて統合して、非常に高精度なrp遺伝子のヒト染色体マップを完成させた。
最終的にマップされた73種の遺伝子は、7番と21番を除くすべての染色体にマップされ、また各々の染色体上でも、互いに離れて存在していることが確認された。原核生物で見られるrp遺伝子のオペロンのような、遺伝子クラスターは認められなかった。ただし19番染色体は例外で、12種もの遺伝子がマップされており、何らかのクラスター構造が示唆され、rp遺伝子の協調的な発現機構という点で興味深いと思われた。
完成したマップは、Whitehead研究所/MITゲノムセンターのSTSマップに準拠しているため、非常に精度が高くまた互換性も良いものとなり、rp遺伝子と遺伝性疾患との関連を研究する上で、強力な手がかりになると考えられる。今後はこのマップを基盤として、Positional Candidate法による疾患遺伝子の同定を目指したい。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Kenmochi,N.,Higa,S.,Yoshihama,M.,Tanaka,T.: "U14 snoRNAs are encoded in introns of human ribosomal protein S13 gene." Biochem.Biophys.Res.Commun.228. 371-374 (1996)

  • [文献書誌] Nanda,I.,Tanaka,T.,Schmid,M.: "The intron-containing ribosomal protein-encoding genes L5,L7a and L37a are unlinked in chicken." Gene. 170. 159-164 (1996)

  • [文献書誌] Toku,S.,Tanaka,T.: "A characterization of transcriptional regulatory elements in chicken ribosomal protein L37a gene." Eur.J.Biochem.238. 136-142 (1996)

  • [文献書誌] Quaye,I.K.E.,Toku,S.,Tanaka,T.: "Sequence requirement for nucleolar localization of rat ribosomal protein L31." Eur.J.Cell Biol.69. 151-155 (1996)

  • [文献書誌] Callen,D.F.,Lane,S.A.,Kenmochi,N.et al.: "Integration of transcript and genetic maps of chromosome 16 at near-1-Mb resolution : demonstration of a "hot spot"for recombination at 16p12." Genomics. 29. 503-511 (1995)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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