研究概要 |
1.4F2抗原のアミノ酸配列分析から,1ight chainが,hnRNP A2及びB1蛋白(heterogeneousnuclear ribonucleoprotein: hnRNP)とホモロジーを示すことがわかった。そこで、hnRNP A2およびB1のcDNAの5'末端に標識配列を付加したDNAを作成し,培養細胞にトランスフェクションすることにより,標識されたhnRNP B1蛋白がin vivoで4F2ヘテロダイマー蛋白の中に特異的に組み込まれることを証明した.即ち,4F2抗原のlight chainはhnRNP B1蛋白であることを明らかにした. 2.hnRNP A2/B1のcDNAを大腸菌に組込み合成した蛋白を抗原として,4F2 1ight chain特異的なモノクローナル抗体DP3を作成した.この抗体をプローブとしてImmunoblottingすることにより,hnRNP B1蛋白が4F2抗原のlight chainであることを再確認した.さらに,2次元電気詠動等の解析を加えることにより,hnRNP B1蛋白はりん酸化されていることが明らかとなり,また,未だクローニングされていないhnRNP B2蛋白が共通アミノ酸配列を持つことが明らかになった. 3.4F2抗原は細胞膜の表面に発現されることから,RNA結合蛋白が細胞膜上に存在することを意味し,抗核抗体(抗RNP抗体)が原因と考えられるSLE等の自己免疫疾患の発生機序を解明する上で興味がもたれた。そこで,他のRNP蛋白とDP3が認識するRNP蛋白の組織分布を免疫組織化学的に比較検討した。その結果,論文として発表した.(Experimental Cell Resarch(221, 1995)およびJ. Biochemistry(投稿中)).
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