研究概要 |
(1)自家蛍光の少ないFISHに適した固定化法の開発 通常用いられている固定化剤には、付加的固定化剤と非付加的固定化剤とがあり、付加的固定化剤は比較的強固な固定をもたらすがまたかなり強い自家蛍光の原因となる。一方非付加的固定化剤による固定は自家蛍光をあまり出さないが固定化が充分でない。蛍光を発しない共有結合を生成するchemical cross linkerが、自家蛍光が少なくかつ強固な固定をもたらす固定化法として有力である。現在、種々の市販のcross linkerを試験中である。 (2)適切な蛍光色素の選択及び合成 検討の結果、現時点で蛍光色素としてスペクトルの分離が良い点から、Molecular Probe社より市販されている、Cascade Blue, BODIRY 503/512, BODIPY Krを用いることにしている。現在、新たな蛍光色素の開発が盛んであり、スペクトルや、conjugationとのかねあいで、この結果は必ずしも最終的なものではない。 (3)蛍光色素とDeoxyribonucleotideとのコンジュゲートの作成 conjugateの中間体としての、水銀化dUTP,アリールアミン化dUTPの合成・精製、及び蛍光色素(BODIPY 503/512)の、リンカー及びアミノ基の付加、オレフィン化は成功した。両者を結合させることに特に困難はないと思われる。
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