研究概要 |
HTLV-Iエンベロープをもったpseudotypeレトロウイルスを産生するためのpackagingCOS細胞株を樹立した。 HIVゲノムのgagのスタートコドン(ATG)上流にはウイルス粒子にパッケージされるためのPNAシグナルが存在する。これはベクター遺伝子のウイルス粒子への取り込みに拮抗する。そこでHIV-1SF2分子クローンのgag, pol. をコードするNarl(638)〜Ndel(5129)の4.5kbフラグメントをpTZベクターにサブクローニングし、site-directed mutagenesisによりスタートコドンおよびkozak配列を保持したままパッケージングシグナルを削除した。このgag. pol. をウシパピローマウイルスベクター(BMGhygro. )上で構築し、HIVrev発現ベクターとコントラスフェクトし、ハイグロマイシン選択によりgag. pol. を安定に発現したCOS細胞を樹立した。 この細胞にHTLV-Iエンベロープ発現ベクター(Aaron Diamond AIDS Research Center, Dr. N. Landauとの共同研究)およびマーカー遺伝子を持つHIVベクターDNAをトランスフェクトすることにより、HTLV-Iエンブロープの細胞指向を有する組換え(pseudotype)レトロウイルスが産生された。 今後このシステムにより、HTLV-I標的細胞の詳細な解析、およびレセプター分子の発現クローニングを行う。
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