研究課題/領域番号 |
07807050
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研究種目 |
一般研究(C)
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
武市 早苗 東海大学, 医学部, 教授 (20035497)
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研究分担者 |
中嶋 克行 (株)日本抗体研究所, 開発部長
斉藤 剛 東海大学, 医学部, 助手 (30266465)
湯川 修弘 東海大学, 医学部, 助手 (30240154)
大澤 資樹 東海大学, 医学部, 講師 (90213686)
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キーワード | Remnant-Like Particle (RLP) / RLP-TG / RLP-C / Cardiac Sudden Death / Remnant Hyperlipoproteinemia / Apoprotein phenotyping / Apo E4 |
研究概要 |
動脈硬化の発症ならびに進展に密接に関連する因子として注目されているレムナントリポ蛋白が、細菌レムナント様粒子(以下RLP)として測定可能となった。我々はRLPと動脈硬化性病変ないし心臓性突然死との関連に注目し、特に心臓性突然死はRLPの血小板凝集能がその一因ではないかとの考えから本研究を計画した。さらにRLP代謝関連物質としてのアポEリポ蛋白のフェノタイプ解析も試みた。 試料としては、本学法医学教室において解剖に付された92例の突然死のうち心臓性突然死群68例、対象群としてその他の突然死24例の心臓内血液を用いて、RLPの測定を行なった。RLP-TG (TG: triglyceride)は100mg/dl以上、RLP-C (cholesterol)は10mg/dl以上を異常高値としたところ心臓性突然死群の82、4%がRLP-TG異常高値を示したがRLP-C異常高値は48、5%であった。更にRLP-TG、RLP-Cの異常高値群につき冠状動脈硬化の有無・程度との関係を検討したところ、RLP-C異常高値群ではその71、9%に高度の動脈硬化性病変を認め、RLP-TG異常高値群の半数以上に動脈硬化性病変を認めなかった。 以上の結果より心臓性突然死にはRLP-TGが強く関与し、動脈硬化にはRLP-Cが関与している可能性が示唆された。またRLPが死後変化を受けにくいことも確認できたので、死体血を用いた検査でも心臓性突然死あるいは動脈硬化病変の病態把握、解析に有用であると思われた。 なおアポEリポ蛋白の解析では心臓性突然死群において、通常では検出頻度の極めて低い4/3型が比較的高頻度(13、2%)に認められ、その意義については現在検討中である。次年度はRLPの血小板凝集能をin vivo、in vitroで検討する予定である。
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