研究課題/領域番号 |
07807054
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
油谷 浩幸 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (10202657)
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研究分担者 |
郡司 俊秋 東京大学, 医学部・附属病院, 医員
児玉 龍彦 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (90170266)
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キーワード | C型肝炎ウイルス / RNAポリメラーゼ / トランスジェニックマウス |
研究概要 |
C型肝炎ウイルス(HCV)由来のRNA依存性ポリメラーゼ活性の解析を進めている。ポリメラーゼをコードしているNS5B領域をRSVプロモーター下流に接続した組み換え遺伝子pRSV-NS5Bを作成し、トランスジェニックマウスを樹立した。現在、mRNA発現は確認されており、蛋白質レベルでのポリメラーゼ発現を検討中である。 さらにGreen-Fluorescent Protein(GFP)との融合蛋白を発現する組み換え体をCHO細胞に導入した。NS5B領域に対するモノクロナル抗体を用いたウェスタンブロットにより、CHO細胞内におけるRNAポリメラーゼ蛋白の発現を確認した。 次にこのRNAポリメラーゼがウイルスの増殖活性を有するか否かの基礎的検討を行った。仮に発現蛋白質がポリメラーゼ活性を有していれば、細胞内で転写されたmRNA(HCV由来RNA)を鋳型としてマイナス鎖RNAが合成されると期待される。そこで我々が樹立したマイナス鎖の特異的検出法を用いて細胞内のHCV由来マイナス鎖RNAの有無を検討した。CHO細胞よりRNAを抽出し、NaIO4(過ヨウ素酸)及びNaBH4を用いて、RNAの3末端を化学修飾し、非特異的なcDNA合成をブロックした後にストランド特異的なRT-PCRを施行した。その結果、上記CHO細胞内におけるHCVマイナス鎖RNAの存在が確認され、発現しているポリメラーゼが活性を有していると期待される。 現在、対照としてポリメラーゼの活性中心と想定されている領域(GDD配列)を欠失させた組み換え体を作成し、この対照群において変異蛋白質が発現しながら、マイナス鎖HCV RNAは合成されていないことを確認中である。機能的RNAポリメラーゼを発現するCHO細胞及びトランスジェニックマウスが樹立され次第、ポリメラーゼ阻害剤のスクリーニングを進めていく予定である。
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