研究概要 |
1.mAb抗体TCM240(IgG1,κ)を用いて、重症筋無力症(MG)患者血清中のidiotype抗体を検討したところ、正常者群にたいして、優位に陽性率が高い ことが証明された。また従来の方法では陰性であった患者群においても、陽性率が高く、約60%の頻度で検出可能であった。また抗体陽性率は、患者の重症度(Ossermann分類)によく相関した。此のことは、idiotype抗体の認識するAChR61-76に対するcomplementarypeptideであるRhCA67-16に対する抗体がanti-idiotype抗体となり、実際に患者血清中のidiotype抗体を認識していることを示している。実際に動物実験では、RhCA67-76を感作することにより、次のTorpedo acetylcholine receptor(AChR)の感作により、MGの発症が抑制されることを確認している。以上の結果より、将来RhCA67-16による脱感作療法も可能であると考えられる。 2.idiotype抗体TCM240の遺伝子解析。 heavy chainに関しては、constant regionのanti-sense primerとvariable regionのdegenerative region primerをもちいて増幅し、これをpGEM vetorにdirect insertionをおこない、LacZ primer(formard,reverse)にて増幅をおこない、さらにAmpliTaq cycle sequencing kitで求めるvariableregionの全塩基配列を決定下。現在この塩基配列から全アミノ酸配列を読み込み、もとのidiotype抗体の認識するエピトープとの相補性について検討中である。
|