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1995 年度 実績報告書

痴呆疾患モデルに海馬特異的神経プロテアーゼ発現と行動学的変化との比較検討

研究課題

研究課題/領域番号 07807067
研究機関兵庫医科大学

研究代表者

松山 知宏  兵庫医科大学, 医学部, 講師 (10219529)

研究分担者 塩坂 貞夫  奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 教授 (90127233)
キーワードニューロプシン / 海馬 / 脳虚血 / 記憶・学習 / 神経プロテアーゼ
研究概要

ニューロプシンは海馬などの大脳辺縁系に局在するセリンプロテアーゼでありキンドリング刺激や海馬直接刺激により容易に変動する。またlong-term potentiation (LTP)ともよく相関を示すため記録関連物質の候補としてその存在意義がある。申請者らは痴呆性疾患とニューロプシン発現の相関を検討する目的でマウス両側総計動脈結紮による一過性脳虚血負荷およびdiethyldithiocarbamic acid (DDC)投与によるoxidative stress後の行動変化とニューロプシン発現との関連性を評価した。行動テストとしてはオープンフィールドテストを用い、ニューロプシン発現変動はin situ hybridization histochemistryを施行後オートグラフィー上のグレイン密度の定量にて計測した。オープンフィールドによる動物の活動性は10分間の一過性脳虚血後またはDDC投与後一週間目には非虚血群および生食投与群の動物に比し有意に約70%増加していた。DDC投与後一ケ月目にはこのような活動性の亢進はもはや観測されなかった。ニューロプシンmRNAはDDC投与後2時間目には発現亢進がやや観察されたがその後基準値に複し、一週間目には約50%に低下していた。同時に計測したtissue plasminogen activator(tPA)、manganses SODおよび72kd-heat shock protein(HSP72)nRNAはこれらの負荷後一週間目には基準値に複しており、ニューロプシンの発現低下は特異的と考えられた。従って、ニューロプシン発現低下と活動性の亢進とが相関している可能性が示唆された。一般に海馬可能の低下は空間認知機能の傷害として出現し、行動テストでは活動性の亢進として評価される。今回虚血負荷およびoxidative streeによるニューロプシン発現低下が活動性の亢進をもたらしたとも考えられ、脳卒中後の痴呆形成機構にも関与していることが示唆された。今後はニューロプシン産生抑制や投与実験によりその行動変化への直接関与を検討する必要性があると思われた。

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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