研究概要 |
心不全で血漿エンドセリン(ET)‐1濃度が上昇し、血管収縮、心筋肥大と心不全憎悪因子と考えられるが、ヒトで血漿ET‐1上昇の由来として肺血管床が主であり、肺血管抵抗と密接に関係があることを示した(Am J Cardiol 1995;75:1162‐1165)。さらに血漿ET‐1濃度高値患者で予後が悪いことを証明した(Am J Cardiol 1995;76:803‐808)。これらの事実は内因性ETが、心不全の病態生理に深く関与していることを示唆している。 犬心不全モデルでは、心不全で同時に上昇する内因性ANPによりET‐1産生が抑制されることをANP特異的拮抗薬(HS142‐1)を用いて証明した(Am J Physiol,in press)。 さらに急性心不全治療薬として用いられているニトログリセリンとニコランジル(ニトロ作用+K channel開口作用)の血行動態に対する耐性出現とその機序について臨床的に検討、その結果血漿cGMP濃度からみるとニコランジルで耐性をきたしにくい原因としてニコランジルのK channel開口作用が重要と示唆された(Am J Cardiol 1995;76:803‐808)。
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