研究概要 |
コンピュータの特性を生かしたマルチメディアシステムを駆使し,学習者にとってインタラクティブな,皮膚疾患の知識ベースを構築することを目的として,平成7年度は下記の点について予備的検討を行った. 1.素材として当科に蓄積された臨床写真,組織スライドなどの画像情報をPhotoCD,スライドスキャナーを用いて電子データ化した. 2.皮膚疾患の解説,鑑別疾患,検査法,治療,参考文献などのテキストを複合的に組合わせてHyper Text Mark-up Language(HTML)を用いてドキュメントを作成した. 3.さらに最近急激に普及してきたインターネットのWeb siteにリンクを貼ることにより,世界中の関連情報源とも直接的に結びつけた. 4.試作モデルとして第一にHTMLにより記述した症例報告(Atopic labial melanosis)をThe 2nd Internet World Congress on Biomedical Science '95においてインターネット上に発表した(1995年12月). 5.次いで「メラノーマの鑑別診断」について,疾患の解説,鑑別診断,臨床写真,病理組織写真,検査法,治療方針をHTMLで記述し,その中でNIH,その他海外にあるメラノーマ関連のWeb siteとリンクさせ,最新の情報が得られるよう配慮した. 6.学生実習,研修医教育で実際に使用し,使用感,使用前後の知識レベルの向上度を指標にその有用性を検討し,Hyperlinkされた画像とテキストが学習事項の理解を容易にしたとの良好な評価を得た. 7.次年度は「光線過敏症の診断手順」を取上げ,本年度の成果を参考にして,更に扱いやすいシステムを作成する予定である.
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