研究概要 |
本研究はFDGの代謝物の中から悪性腫瘍の指標となる物質(NDP-FDM)を^<19>FMR画像として抽出するという新法確立を第一の目的とした。またFDGからのNDP-FDM生成機構解明を通じて究極的にはがんの質的診断を目標とするものである。本課題は小動物を実験対象とした原理確立の基礎研究である。 平成5年度に本学部に導入した生体NMR装置(バリアンジャパン社、Unity 400 plus、9.4T、40mm F/H画像プローブ付)により、F-19の画像抽出を試みた。FDG投与担がんマウスにおいて、スライスなしではあるが投与後1時間並びに25時間におけるFDGおよびその代謝物の画像抽出に成功した。測定所要時間はそれぞれ27分および140分であったが、動物はこの間の麻酔に耐え、がん診断法としての意義が認められた。この成果は第3回Heidelbeng Conference (3rd International Conference on Magnetic Resonance Microimaging, 1995年8月、ドイツ)において発表した。 また、NDP-FDMについてはHPLCとF-19 NMRの組み合せにより塩基の種類を探索した。予想に反してNはグアニンではなくウリジンであることが判明した。フッ素糖のエピマと塩基を同時に決定するには現在この方法しかない。これは日本薬学会第116年会(1996年3月)で公表予定である。さらにF-19 NMRによるFDGの代謝物の同定、定量に関する詳細をJ. Neurochimistryにおいて印刷中である(5月発行予定)。
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