研究概要 |
1.変異リコンビナント糖タンパクホルモンの活性:糖タンパクホルモンのうちヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)のα鎖CMGCC領域を変異させた変異糖タンパクについてのhCG免疫活性について調べた昨年の結果は、YMGCC, CMRCC, CMDCCで免疫活性の消失が見られたので、同様な変異αよりなるリコンビナントヒト甲状腺刺激ホルモン(hTSH)を入手し、その免疫活性を測定した。その結果IRMA法(Spac)によると野性型(CMGCC)の4.6mU/lに比べ、CRGCCでは3.6mU/lと活性があるのに対し、YMGCC, CMRCC, CMACC, CMDCCはいずれも<0.1mU/lと活性がなかった。今後他の免疫測定法による測定やfree α, free βの測定による補正が必要であるが、この結果はおおよそhCGと類似しており糖タンパクホルモンに共通の現象と見られる。 2.異所性hCGの性質:最近hCGは絨毛以外に健常人下垂体からも微量ながら分泌されていると推定されている。そこでその性質を調べ、リコンビナントhCGと比較する目的で、まず健常人における血中hCGの測定を試みた。hCG EIA (Test Wako)については検体量100μlで3重測定、第二反応4℃一夜、第三反応停止液2N-H_2SO_42mlに設定し、最小検出感度0.065IU/lと高感度化した。予備実験で健常男子で<0.065-0.175IU/l、女子で<0.065-0.220IU/lが検出されLHRHで増加するものが多かったが、CRH, TRHに対する反応は一定でなくその性質はまだ不明である。
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