研究課題/領域番号 |
07807101
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
血液内科学
|
研究機関 | 高知医科大学 |
研究代表者 |
小林 俊博 高知医科大学, 医学部, 助手 (40153621)
|
研究分担者 |
岡田 暉彦 高知医科大学, 医学部, 助教授 (00025628)
瀬口 春道 高知医科大学, 医学部, 教授 (90030866)
|
研究期間 (年度) |
1995 – 1996
|
キーワード | 好中球 / シグナルトランスダクション / GTP結合タンパク質 / NADPHオキシダーゼ / アルカリ性ホスファターゼ |
研究概要 |
ヒトの好中球には4種類の細胞内顆粒が存在する。これらのうち分泌顆粒と呼ばれるものは細胞刺激に対して素早く応答し、機能は不明であるがアルカリ性ホスファターゼ活性と活性酸素を産生するNADPHオキシターゼの膜因子を含有していることから、この分泌顆粒の分泌動態に及ぼすGTP結合タンパク質の役割について生化学的に検討した。好中球をフッ化ナトリウムで刺激した場合、刺激後10分で活性酸素の産生が開始された。アルカリ性ホスファターゼ活性は未刺激の細胞では73%の活性が細胞内に検出されるが、フッ化ナトリウム刺激により、その90%が細胞外に分泌された。この結果は分泌顆粒の放出にGTP結合タンパク質が関与することを示唆している。次に、高電圧処理により形質膜に小孔を形成して低分子量の物質を透過できるようにした好中球を使用してGTP結合タンパク質を活性化するGTPγSを投与した場合の分泌顆粒の動態を検討した。高電圧処理細胞ではGTPγS投与によりNADPHオキシダーゼの活性化が認められる。また、90%のアルカリ性ホスファターゼ活性の細胞外分泌が観察された。この細胞外分泌は、ヘテロトリメリックGTP結合タンパク質の阻害剤である百日咳菌毒素あるいはモノメリックGTP結合タンパク質の阻害剤であるボツリヌス毒素により阻害された。この分泌顆粒は小管状構造をしており、GTPγS投与によりこれらは互いに癒合し、長管状構造を形成しつつ、細胞膜と最終的に癒合することが細胞化学的検討により明らかになった。以上の結果より、ヒトの好中球における分泌顆粒の動態には複数のGTP結合タンパク質が関与することが示唆される。
|