研究概要 |
1993年2月から3月にかけて広島県の3病院(Hiroshima University Hospital, A and B Hospital)入院患者及び開業医外来患者由来のMRSA株計179株を収集したる集めたMRSA strainsはcoagulase typingとtoxic shock syndrome toxin-1(TSST-1), enterotoxin A〜Dのtypingにより分類した。この中から各種のtypeの株計53株を選び検討を行った. mecAの調節遺伝子はmecR1, mecIの2つの部よりなるが、mecR1の最初の部をmecR1 MS, mecIに近い側をmecR1PBとしプローブを作成し,DNA blot hybridizationによりmecA, mecR1MS, mecR1PB, mecIを検出したところ、mec regurator genesの分布には、all genesを有するものとmecR1PB, mecIを持たないものの2種類のpatternがある事が確認された。mecR1PB, mecIを持たない株は全てmethicillin resistantであったが、all genesを有する株ではmethicillin resistantの株と、low MIC for methicillinの株が認められた。mecI geneを持っている株でmecI geneのmutationが起こっているかどうかを調べるため,mecIを有しhighly resistantの株2株,とlow resistantの1株づつのmecIのnucleotide sequencesを調べた。highly resistantの株では共にmecIのone nucleotide substitutionがありそれによりamino acid substitutionが起こっていた。しかし、low resistantの1株ではmecI geneのsequencesは全く損傷がなかった.すべての調節遺伝子がintactのものではlow resistantであるがmecIの欠失やone nucleotide substitutionが認められたものはmethicillin resistantである事が確認された.しかし耐性度の程度の差はこれらの変化のみでは説明できず他のメカニズムの存在も推測された.
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