ラットの肝細胞分離の為のシステムを作成し、コラゲナーゼ液の肝灌流による肝細胞分離の技術を確立した。 肝細胞移植の移植床を作る為に、熱処理されたコラーゲンスポンジを腹腔内に埋め込み、組織反応を観察した。このスポンジは、埋込後2日目には浸出液で満たされて嚢胞状となり、埋込後4〜12日目には周囲組織との癒着に伴って変形し、外科的には確認困難で肝細胞の移植は困難であると考えられた。組織学的にはprevascularizationは不十分で、その原因として、血管線維組織がスポンジ内に侵入するよりも周囲からの圧迫や変形が著しい為と考えられた。それに対して、スポンジの形状を補強したものを埋め込んで肝細胞移植を試み、肝細胞の生着を観察した。今後、この補強コラーゲンスポンジ法と従来の方法との効率の比較を予定している。
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