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1997 年度 実績報告書

Tissue Engineeringの方法を用いた肝機能補助システムの実験的研究

研究課題

研究課題/領域番号 07807116
研究機関杏林大学

研究代表者

武田 多一  杏林大学, 医学部, 助手 (20271249)

キーワード組織工学 / 人工肝臓 / 肝細胞移植
研究概要

ラットの肝細胞分離の為のシステムを作成し、コラゲナーゼ液の肝灌流による肝細胞分離の技術を確立した。
ラットのモデルを用いて、Tissue Engineeringの方法で移植床を形成させる為のポリマーの素材・形態を検討し、レシピエントに侵襲が少なく・移植肝細胞の機能が最大限に生かせる肝細胞移植の最適条件を検討した。
肝細胞移植の移植床を作る為に、熱処理されたコラーゲンスポンジを腸間膜の間に埋め込み、組織反応を観察すると、スポンジの変形が著しく、十分な血管に富んだ肉芽組織の形成(prevascularization)には至らなかった。スポンジの形状をナイロンメッシュで補強したものを埋め込んでみたが、コラーゲンスポンジが溶けて崩壊し、肝細胞移植に適したprevascularizationは得られなかった。
移植された肝細胞は1週間以内に70〜95%が失われ、移植を受けたラットの体重減少・腹膜炎が観察された。肝細胞の喪失は、移植後3日以内に多く、組織学的に、スポンジ内への炎症細胞の浸潤や、移植肝細胞の核濃染・細胞溶解像が観察され、移植肝細胞が多核白血球等の炎症細胞に困って障害されたり、肝細胞の着床障害、肝細胞がアポトーシスを起こしていることが示唆された。
移植した肝細胞の長期維持が出来なければ、肝細胞移植による肝機能補助のメリットよりも、侵襲によるデメリットの方が大きいと考えられた。移植肝細胞の長期生存を図る為に、好中球機能抑制剤(フコイジン)を全身投与したが、大量投与では動物の死に繋がり、中等量では肝細胞維持作用が見られない一方で全身状態が悪化し、少量では新生血管抑制を呈し、何れも効果を認めなかった。また、細胞障害を抑制する為に、抗活性酸素剤(アスコルビン酸)を全身投与したが、有意差のある結果を得られなかった。

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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