研究概要 |
成犬広背筋の運動神経である胸背神経を縦二分割することによって広背筋の萎縮を調べた。その結果,縦二分割するのみでは広背筋は萎縮がほとんど見られなかった。一方,縦二分割したうちの一本を切断すると,筋体の一部は萎縮するが,縦二分割神経の支配が細部まで検索できず,縦二分割による萎縮を細かく分析することが出来なかった。そのため,実験モデルの変更を行った。すなわち,成犬の顔面筋(口輪筋と眼輪筋)を支配する顔面神経と,舌の運動神経である舌下神経を用いた。この新しい実験モデルを開発することにより,当初予定した広背筋を用いるよりも,臨床に近いじっけんけいかくをたてることができるようになった。 平成7年度の研究成果としては 1.成犬の顔面神経麻痺モデルの完成 2.神経切断モデルとしての舌下神経切断モデルの完成 3.臨床に近い形で顔面神経-舌下神経吻合を行うことにより,顔面神経麻痺の治療効果を正当に評価することが出来るようになった。 今後は, 1.舌下神経に対して縦二分割法を行って,神経の変性および舌の筋肉の変性を調べること 2.顔面神経切断により,顔面神経麻痺を作成し,その後,舌下神経移行を行って顔面神経麻痺の回復過程を調べる。
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